大阪私立中学校高等学校保護者会連合会
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要 望 書

私たち大阪私立中学校高等学校保護者会連合会(以下、保護連)は子どもたちのため、公私立学校を問わず公費が支出され、自由に学校を選択できる環境の実現を目指しています。

大阪府から公立学校、私立学校に交付される公費には、大きな格差があります。大阪府の経常費補助金は国が算定した財源措置額を大きく下回り、中学校、高等学校ともに全国最下位レベルです。経常費補助金の削減は、未来を担う子どもたちへの教育の質に影響しかねない重大な問題です。

特に私立中学校は橋下元知事が実施した財政再建プログラムで大幅に削減され、いまなお15%カットが続いています。平成26年度からの10年間で5校もの私立中学校が閉校となりました。私立中学校の生徒は特色ある教育を求めて進学する子どもたちだけではありません。私どもが実施した保護者アンケート※1によると、多くの保護者が地元の中学校に不安を抱いているため、私立中学校を選択しています。今や、私立中学校は、公立中学校と同様に子どもたちの受け皿として、必要不可欠な存在となっています。

このような背景を踏まえると、中学校、高等学校ともに経常費補助金が全国最下位レベルであることは、早急に解決すべき問題です。一刻も早く、経常費補助金を充実し、公私間の格差が解消されるようお願いいたします。

高等学校において、年収350万円未満の世帯を無償とするセーフティネットとして平成22年度から始まった私立高等学校等授業料支援補助金制度(授業料無償化制度)を、昨年度から段階的に所得制限を撤廃していただいたことに感謝いたします。しかし、この度の授業料完全無償化は、すべての家庭が無償化の対象となる一方、標準授業料を超える学校の収入がこれまで以上に大きく制限されます。今後、私立高校は、教育の質の維持、また、これから先求められる多様化する教育への対応が困難になることは明確です。これは、子ども達にとって大きな不利益です。

私ども保護連は、今回の授業料完全無償化により、私学独自の特色ある教育の質が下がることを何よりも懸念しております。これまでも保護者が授業料を負担してでも私学に通わせている保護者は、私学の特色ある教育を子どもが受けるため必要な負担と理解し、授業料を支払っています。保護者アンケート※2でも、約85%の保護者が費用を負担してでも特色教育を受けさせたいと答えています。特に年収めやす590万円未満の世帯であっても、約80%が費用負担をしてもよいと答えていることは、私ども保護者が私立学校の授業料の必要性、役割を十分に理解していることを示しています。特に、この数年は物価が急激に上昇しています。そのような社会情勢にも関わらず、学校は63万円以上の授業料収入がない状況であることは、保護者から見ても経営に大きな影響を与えていることは容易に想像ができます。無償化は確かに保護者にとって喜ばしいことですが、私立学校の教育の質を維持すること、不安なく子どもたちにより良い教育を受けさせられることが、重要であると考えております。京都府や奈良県の制度は、保護者の負担を軽減しつつ、学校も経費を確保できるような制度になっています。どうか、大阪の私学も必要な経費を十分に確保できる制度にしてください。

私立学校に通う子どもとその家庭を優遇してほしいとお願いしているわけではありません。保護者の立場として一刻も早く、公立私立の別なく公平な公費支出が行われるよう、私立学校が魅力ある教育をできるよう次の事項を要望します。

※1

大阪私立中学校に子どもを通わす保護者アンケート
調査対象:大阪府内私立中学校在籍生徒の保護者(59校・生徒数22,217人)
調査期間:令和7年7月8日(火)〜7月16日(水)
調査方法:webアンケート
回答数:6,698

※2

私立高等学校への進学理由等に関するアンケート
調査対象:大阪府内全日制私立高等学校在籍生徒の保護者(95校・生徒数90,013人※中等教育学校含む)
調査期間:令和6年6月18日(火)〜6月28日(金)
調査方法:webアンケート
回答数:26,194

要望事項

1.経常費補助金の充実
(1)大阪府から私立学校への支給される経常費補助金は、大阪独自の算出方法で減額され全国でも最下位レベルです。(参考� 坊仂鑒駟篏�金は学校経営に欠かせない重要な資金であり、減額されることによって子どもたちの学校生活に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、私立小中学校においては、公立に受け皿があるとの理由で、府が算出した補助単価を今なお15%カットを続けています。しかしながら、大阪府は、平成29年度に府内全域から生徒募集し、適性検査で合否を判定して入学者を決める府立富田林中学校を新たに設置しており、この時点で、公立の受け皿の理屈は成り立ちません。保護者として、納得できない理由で本来補助されるべき子どもたちへの教育にかかる補助金が、長年にわたりカットされ続けている現状は見過ごすことはできません。
私立小中高に対する経常費補助金を、少なくとも国が基準額として決めている財源措置額以上となるよう引き上げていただきますようお願いします。
特に私立小中学校においては、17年間続いている削減を復元してください。
(2)公立学校は、1人に1台タブレット端末やPCなどの機器を公費で整備していますが、私立学校の多くは保護者が負担しています。私立学校の保護者にも、公立高校と同等の補助をしていただきますようお願いいたします。
〔 参考� �令和7年度生徒一人当たり経常費単価 〕
  (国の財源措置額)   (大阪府) 差額 (全国順位) (近畿6府県順位)
小学校 353,890円 → 264,435円 △89,455円 ワースト2 ワースト1
中学校 355,522円 → 288,575円 △66,947円 ワースト3 ワースト2
高等学校(全日制) 363,708円 → 350,300円 △13,408円 ワースト3 ワースト2
高等学校(広域以外の通信制) 83,165円 → 75,180円 △7,985円 ワースト3 ワースト1
※中学校・高等学校の補助金単価合計 : 638,875円 → 近畿ワースト1
2.授業料支援補助金制度の見直しについて
(1)子どもたちは自由で多様な教育を受ける権利があります。アンケートによると、私たち保護者の多くは、標準授業料とは別に費用を負担してでも子どもたちに特色ある教育を受けさせたいと考えています。(参考�◆忘�の制度は、私立学校の特色ある教育を損ないかねません。私立学校が子どもたちに多彩な教育を行えるよう、学校の判断で必要な経費を十分に確保できる制度への見直しをお願いします。
(2)義務教育課程における学校選択の自由を実現するため、小中学校の経常費補助金を国の財源措置額以上への引き上げや、保護者に対する支援制度の新設をお願いします。
〔 参考�◆Щ篶�高等学校への進学理由等に関するアンケート結果 〕
○大阪府が無償としている教育内容とは別に、費用負担をしてでも、より一層の特色教育を受けさせたり、子どもがやりたいことに挑戦させたいと思いますか。
【所得層別】 はい いいえ
590万円未満 79.8% 20.2%
590万円〜800万円未満(子ども3人以上) 82.3% 17.7%
590万円〜800万円未満(子ども2人以下) 84.6% 15.4%
800万円〜910万円未満 85.6% 14.4%
910万円以上 90.8% 9.2%
3.非構造部材の耐震対策への補助の創設について
大阪府の私立中学校は令和元年度末で耐震化率100%を達成し、高校においても僅かに耐震化ができていない棟を残すのみとなりました。ご支援いただきましたことに深く感謝申し上げます。
校舎の耐震化は進みましたが、非構造部材の耐震対策に注目しますと、大阪は57.9%とまだまだ進んでおりません。
国から3分の1の補助はございますが、特に大阪は授業料完全無償化の影響により、他府県よりもその費用を捻出することが困難な状況です。
子どもたちの安全を一刻も早く確立するためにも、国の補助だけに任せるのではなく、大阪府独自の補助制度を創設していただきますようお願いします。
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