以下は平成15年12月16日文部科学省 河村 建夫大臣と、総務省 麻生 太郎大臣へ送った
文書です。
私立高等学校に対する公費助成措置について（お願い）
大阪私立中学校高等学校保護者会連合会
会 長 森 範 子
平素より、私学振興に対し特段のご理解とご配慮を賜り、衷心より厚くお礼申し上げます。
私どもは、大阪の私立高等学校に子どもを通わせている保護者の集まりです。各校の保護者会で連合会を結成し、公・私立高等学校間の学費格差の是正・解消・学校選択の自由を目指してこれまで熱心に活動をしてまいりました。
後期中等教育を担う高等学校は、小・中学校と異なり義務教育ではありませんが、今日では９７ . ５％以上の国民がその教育を受けており、ほぼ義務教育に近い状況になっております。
しかし、義務教育と異なり、希望すれば全員が公立の高等学校に入学できる体制が整備されている訳ではなく、私立の高等学校に入学する者の多くは、公立に受入れ枠がないために、公立と比べ３倍も高い学費を不本意ながら負担しながら通学している状況です。
一方、同程度の学費負担であれば、私立の高等学校を希望する生徒は公立の高等学校に比べ格段に多く、公・私立間の学費負担の格差が生徒の学校選択の自由を著しく疎外しています。
基本的に授業内容は公立と私立で差がなく、卒業資格も全く同じものが与えられるにもかかわらず、地方公共団体であるか学校法人であるかという設置主体の違いだけで両者の間の学費負担に３倍の差が生じていることは、到底納得できるものではありません。
特に、子どもを私学に通学させている保護者も公立に通学させている保護者と全く同じ納税義務を果していることを考えると、私学の保護者は教育費を二重負担しているとも言える状態であり、承服しかねます。
因みに、大阪府が支出している高校生一人当たりの経費は、公立が約８４万円であるのに対し、私立は約３７万円です。その結果、保護者の負担額は高校生一人当たり公立で１５万円、私立で５５万円となっています。
私どもは、かねて大阪府に対し、この高等学校学費の公私間格差の是正・解消を強く要望してまいりましたが、それに対する大阪府の回答は、私立高等学校に対する国の助成金額が高校生一人当たり５万円にとどまっているばかりでなく、地方交付税措置額が高校生一人当たり公立が６９万円であるのに対し、私立は２７万円となっていることが府の対応策の決定を左右しており、府の判断だけで公私間格差を抜本的に是正し、解消することはできないということでした。
このようなことから、私どもとしては、地方公共団体が公私間格差の抜本的な是正・解消に取り組まない原因が国の助成措置及び地方交付税措置にあるとの結論を得るに至りました。
つきましては、ご多用中誠に恐縮に存じますが、次のことについて、１２月２８日までに文書でご回答賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
� 〇篶�高等学校に対する国の助成額が小額で公私間格差を解消するにはほど遠い金額にとどまって いる理由
�◆仝�立高等学校と私立高等学校で地方交付税額に大きな格差が生じている理由
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